奇声が飛び交う病棟の夜

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    入院していたとき、病院で寝ていると毎晩何人かの奇声が聞こえてきました。
    「お母ちゃん、お母ちゃんよぅ」と叫ぶ声。
    「お姉さん、お姉さん」とすがるような声。
    「ううう、ううう」とただ大声で唸る声。
    それらは宵の内、真夜中、朝方と、時を選ぶことはありませんでした。
     
    個室もありますが、一般病室に他の患者の方と同室の人もいました。
    看護師さんも扱いには慣れているらしく奇声の度には来ず、適当に足を運んではその時に処置していくといった感じでした。

    私も一般病室でしたが、私の病室にはそのような人はいませんでした。
    それでも毎晩聞こえていたのですから、もし同じ病室だったら、全然寝られなかったことでしょう。
    しかし、一番大変なのは家族の方々です。
    今は病院に預けているとはいえ、いつかは家に戻ってくることになります。
    そのあとは、期限抜きで奇声に悩まされることになるでしょう。
    こんなことを色々考えていると、複雑な気持ちになるのです。

    私も脳の病気なので、一歩間違えたら同じようになっていたかも知れません。
    本人は何も知らなくても、家族を困らせることになったでしょう。
    けれども、幸いなことに、精神を司る部分は侵されていなかったのです。

    私は、退院することが出来ましたし、今はこうしてブログを作ることも出来ます。
    体の不自由は残っていますが、周りの人と心を通わせることが出来ます。
    これは、不幸中の幸いでした。
    私はこの状況に感謝をし、残りの人生の時間を大切に過ごさねばならないと、強く感じているのです。


    JUGEMテーマ:コラム


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