発病後、屋外に初めて出た日

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    入院後、初めて病院の外でリハビリがあったのは、10月の初めでした。
    脳出血で倒れてから、5ヶ月近く経過していました。
    このとき、屋外での歩行訓練が初めて行われたのです。
    一時帰宅などで病院の外に出ることはありましたが、自分の足で外の道を歩くのは、病気になってからは初めてでした。
    そのときに不自由な足で感じたことと見た光景は、恐らく一生忘れないでしょう。
     
    外の路面は、病院の廊下と違って凸凹だらけでした。
    きれいに舗装されている道路さえも、平面なのは中央のクルマが通行する部分だけ。
    両肩は、水捌けを良くするために緩やかな傾斜がかかっていて、それがずっと続いているのです。
    歩行者にとっては、真っ平らな部分が全くないと言っていいほど。
    健常だったら気づかないのですが、麻痺がある足では傾きに邪魔されて、うまく歩けません。
    足に障害を抱えるまで、道路の凸凹をこんなに気にすることはありませんでした。

    傾斜のかかった路面を、私は杖をつきながら、歯を食いしばりながら歩きました。
    時折、杖が路肩へと私を引っ張りこむので、その度に転びそうになりました。
    そんな私の横を、ランドセルを背負った小さな女の子が追い抜いて行きます。
    小さな足が、片方ずつリズミカルに、前にステップを踏んでいました。
    僕も病気になる前は、君に負けないくらいの早足で歩いていたんだよ。
    杖をつきながら私は、その小さな女の子に、心の中で声を掛けました。

    10月初めは、最初は暑い日があったものの、爽やかな秋晴れの日が増えてきた頃でした。
    私は、涼しい風を体に感じて、一歩一歩杖をつきながら、前へ前へと進んで行くのでした。

    11月も半ばを過ぎました。
    涼しい風に冷たさが混じる季節になりました。
    杖をついて歩く足は、少しだけ歩くスピードが速くなりました。

     
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