高いプライド、低いデリカシー

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    プライドが高い人に、いい話はあまり聞きません。
    特に、病院では取り扱いが面倒で、他の患者にとっても気分が良くなくて、存在が邪魔なだけ。
    私が入院しているときにも、プライドの高そうな高齢の患者がいました。
    その患者さんのエピソードを紹介します。



    その人は、私の入院している部屋に入ってきました。
    車椅子に乗った、気難しそうな風貌の人でした。

    ちょうど目が合ったので、私は「こんにちは」と挨拶しました。
    その人は、私の顔をしばらくじっと見て、「ああ、顔は覚えたよ」。
    随分と偉そうな挨拶返しをしてきました。
    現役時代は、どこかの会社の偉いさんだったのでしょう。

    その夜、その人は豪快にお漏らしをしました。
    ベッドの上だけでなく、床にまで及んでいました。
    オムツがずれていたようで、看護師さんは、「オムツをずらさないように」とその人に注意をして、その夜は終わります。

    ところが次の夜、またお漏らしが起きました。
    今度は、オムツを引き裂いていたようです。
    これには、看護師さんも呆れていました。
    「オムツを取り外しちゃ、絶対だめですよ!」
    強い口調になるのも、無理はありません。
    当の本人は「はあ?」と、耳が遠いのか、わざとトボけているのか、分かったような分かっていないような返事をよこしただけだったのですから。

    その次の夜も、お漏らしが起きました。
    その夜は、お漏らしだけではありませんでした。
    ベッドの回りの柵も外してあったのです。
    床には、お漏らしとベッドの柵が散らばっています。
    看護師さんやケアワーカーさんが清掃をしている横で、当の本人は、「オムツなどいらない!」などと叫んでいました。
     
    どうやらその人、オムツに抵抗がある様子。
    私も、脳出血の入院から2ヶ月はオムツを着けていました。
    自分でコントロールできなくては、回りに迷惑をかけないためにオムツを着用するしかないのです。
    この人にとっては、オムツを着用なんて、プライドが許さなかったのでしょう。
    俺はエライんだ、オムツなんて糞食らえだ。
    そんなところなのでしょう。

    次の日、その人は私の部屋からいなくなってしまいました。
    どうやら、ナースステーションの目の前の部屋に変えられたようです。
    地位も名誉もプライドも、不自由な体の前では関係ないのです。

    この人、今頃はどうしているんでしょうね。
    まだ入院しているのかなあ。


    コメント
    「おむつ」なんか耐えられない・・・ か

    父が入院してからも、自分でトイレに行くことに
    ずっとこだわっていたことを思い出します。
    緩和ケア病棟に入ることにしたのも
    家で自力でトイレに行くことが困難になった
    からでした。

    ただ、父は息子や孫たちの介助を
    すぐにすんなりと受け入れ、最期の時を
    おだやかに過ごすことができました。

    自分もいつか必ずそういう日が来ます。
    その時に周囲への感謝の気持ちを忘れないように
    したいです。
    赤ちゃんの頃、卒業した物が、老人になってまた使うって、逆戻りに抵抗がある人がいるんですね
    足も、始め4本、のちに2本になるんですが、最後はまた2本で歩けなくなります。
    杖は結構平気なのに。

    私は一足早く杖になりました。
    もう一回手放せる日がくればいいのですが、そうでなくてもガタが来始めているし、今は障害者なので、周りへの感謝の気持ちが以前よりよく分かるようになりました。
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